※ご出店者様の都合によりModernism Showへの参加が中止となりました。
お店の紹介、名前の由来、お店をはじめるきっかけを教えてください。
金沢市内にて、チェコやドイツを中心に中欧諸国を周り集めたアンティークを販売しています。
モダニズムの空気が広まり始める1900年代初頭、そしてその前後のものに興味があります。ジャンルは特に問わず、時代の空気とともに新鮮な発見をお伝えできればと思っています。
「SKLO(スクロー)」とは、チェコ語でガラスという意味です。
チェコのプラハの街角にて多く目にしたSKLOの文字。英語でもなく読み方も定かではないこの文字組みに、どこか引かれたのではないかと思います。東欧から西洋へと旅をする中でプラハとベルリンに特に刺激を受けました。以来この両都市を中心に街の変化や物を通して新たな発見をしていきたいと思い、通い続けることにしました。そのための手段としてのアンティークショップだったのかもしれません。
どのようなヴィンテージアイテムを取り扱っていますか?
中欧諸国のアンティークのインテリアアイテムを中心に集めています。
家具はもちろん、照明器具や小物まで幅広い物を自身の感覚に従い直感的に選んでいます。
主に1900年代初頭の機能主義的な要素が生まれ始めた頃、そして成熟していく過程のもの、さらに同時代のユーゲントシュティールやセセッションスタイル、そんないくつものスタイルが混在し主張し合っていた時代に魅力を感じています。
そのほかにチェコに突如として現れたキュビズムスタイル、1800年代前半のビーダーマイヤー様式の家具、 ウィーンにおいてはウィーン工房が生み出した品々にも興味があります。
影響を受けたデザイナー、思い入れのあるアイテムなどがあれば教えてください。
ベルリンにて、マルセルブロイヤーのワシリーチェアが装飾的な建物内に佇む姿を見たときに、大きな衝撃を受けたのを覚えています。装飾文化との対比としてのモダニズムは大きなインパクトだったと思いますが、結果として新しい調和を生み出し、今では日常に溶け込んでいます。
もちろん日本においても伝統家屋との対比はとても魅力的です。「対比と調和」はお店を開店した当初よりずっと意識している感覚です。
お店の近くにお薦めのお店や場所があれば教えてください。
金沢という街は、気候的にもどこかチェコやドイツと似ているように感じています。
その風土から生み出される物同士の共通性からか、プラハやベルリンと同じように多くの伝統工芸や現代作家の活躍の場が広がっています。
そんな金沢では、21世紀美術館はもちろん、街中にある小さなギャラリー等のアートスペースや、建築を訪ねる旅をお薦めします。
今回、Modernism Galleryに出品いただく逸品について教えてください。
Otto Müller / Sistrah P4 Pendant Lamp
ドイツの照明エンジニアであるオットー・ミュラー(生没年不詳)の名は、シストラ(Sistrah)ライトの開発者として今も記憶されています。1931年、カールスルーエ工科大学、光技術研究所との協働で、グレア(まぶしさ)を制御し、エネルギー効率よく最大の明るさをもたらす照明原理を開発。これをシストラと名付けて1932年より自社で販売を開始しました。
「歯科医の照明」とも呼ばれ医療現場に導入されるようになったシストラライトは、透明、乳白色、フロスト・ガラスを用途に応じて組み合わせた吹きガラスのシェードによって多くのバリエーションを生み、広く愛用されるようになりました。シストラライトは現在もMüller&Zimmer社が製造しています。
P4 pendant Lampは、モダニズムの精神そのままに無駄な装飾は一切なく、対象を綺麗に照らすための特殊な構造になっています。
あなたにとってどこがモダンデザインの逸品なのか教えてください。
ガラスの特徴を生かし、遠くからは柔らかな光の印象を与えつつも、対象を照らすための目的をしっかり果たす。装飾的ではなく素っ気なく作られているようで、ガラス部だけでもいくつものパーツに分かれているところなど、見れば見るほど計算され尽くされていることが分かります。
個人的にモダニズムにおいての一番象徴的な照明器具ではないかと思っています。
今後目指していること、展望などありましたら教えてください。
中欧諸国を周りまだ見ぬ珍しい品々を探したいです。
〒920-0961 石川県金沢市香林坊2-12-35
tel 076-224-6784