お店の紹介、名前の由来、お店をはじめるきっかけを教えてください。
ミッドセンチュリー期の北欧を中心とした美術陶磁器・ガラス・宝飾品を中心に扱うギャラリーです。
はじめは北欧の家具に興味を持ちましたが、次第に家具に飾る器に興味を持ちはじめると、その魅力に取り憑かれてコレクターになっていきました。
数がかなり増えてしまったので、ウェブギャラリーで紹介をしていましたが、販売をして欲しいという声が多く、その流れでお店をはじめました。
どのようなアイテムを取り扱っていますか?
作家が当時、美術作品として制作をした陶芸一点物の作品を中心に扱います。現在でも世界中にコレクターが存在し、美術品として市場に出回るものが中心です。
また日本人の生活や文化に取り合わせると美しい作品を厳選しています。
影響を受けたデザイナーや、思い入れのあるアイテムを教えてください。
元々グラフィックデザインをしており、西武線沿線の生まれでもあるので、田中一光さんの広告やグラフィック作品に強く惹かれ、馴染みのあるものでした。
当時は器を蒐集することはありませんでしたが、田中一光さんがお茶事をする際に、無印良品の梨地の器を使っている特集があり、同じものを買い求めました。
お店の近くにお薦めのお店や場所があれば教えてください。
京橋から日本橋まで続く、古美術・美術商の名店が集まった通りは、世界トップレベルの作品に出会えます。
気軽には入れないお店が多いのですが、年に1回、東京アートアンティークというイベントでは、お店廻りができるため、おすすめです。
今回、Modernism Galleryに出品いただく逸品について教えてください。
Berndt Friberg / Bowl , Vase
1899年にスウェーデンのホガナスで生まれたベルント・フリーベリは、13歳よりホガナス窯で作陶助手として働き始め、35歳まで轆轤職人として下積み時代を過ごしました。
1934年にスウェーデンに帰郷し、グスタフスベリ窯に籍を置きました。アートディレクターのヴィルヘルム・コーゲに師事し、1944年には独立と同時にグスタフスベリ内に自らの工房を設立しました。生涯ほとんどの器を自ら制作し、東洋古陶磁からインスピレーションを得て、フォルムや釉薬を追求。特に指先にのるほどの小さな陶器は、器の宝石と例えられます。
ミラノトリエンナーレにて1948年・51年・54年に金賞、ファエンツァ国際陶芸展にて1等賞を受賞しました。
作品は世界各国の美術館に収蔵されています。
あなたにとってどこがモダンデザインの逸品なのか教えてください。
モダニズム以前の時代は陶芸家という職業は海外にはなく、轆轤職人は機械の代わりとして、正確に形作るための職業という位置付けでした。
ベルント・フリーベリは、轆轤から焼成、釉薬など全てひとりで担当した、この時代では数少ない人物で、海外における陶芸家という地位を切り拓いていったひとりです。
全ての作品は轆轤と施釉のみのシンプルな工程で作られており、その手からは、まるで自然物のような柔らかい曲線を生み出しました。全てを削ぎ落とした究極のミニマル表現を陶芸で完成させた功績は大きく、モダニズム表現のひとつの頂点でもあります。
今後目指していること、展望などありましたら教えてください。
近年、北欧や世界のモダニズム陶磁器の評価が高くなってきましたが、より後世へ残せる作品を厳選してご紹介すると共に、世界でのさらなる評価の向上を進めて参ります。
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