お店の紹介、名前の由来、お店をはじめるきっかけを教えてください。
群馬県館林市の眼鏡屋です。店主が趣味で集めた家具等をインスタグラムアカウント @garage_999.9 #眼鏡屋私物で掲載しています。
名前の由来は、潰れたガソリンスタンドのガレージスペースで小さな眼鏡屋をオープンしようとgarageガラージュと名付けました。最終的に賃貸契約が出来ず他の場所になりましたが名前は残った感じです。
昔から物が好きで服飾・おもちゃ・家具など、好きな物で田舎でも可能性がある物販を考えると眼鏡屋が最適と考えました。当初は眼鏡を並べた普通の眼鏡屋でしたが、徐々に店内に自分の好きな物が増えてゆき、今では何屋かパッと見わからないと言われます。
なかには譲って欲しいと言う方も。SNSの影響が大きいと思います。今回のお誘いもインスタからですし。
どのようなヴィンテージアイテムを取り扱っていますか?
最初に自分自身で購入した家具は、イームズのサイドシェルでした。
そこからヨーロッパのプラスティックの家具に行きスペースエイジと言うジャンルを集めていましたが、ただスペースエイジだからと言って全てが好きなデザインではないし、スペースエイジ以外(ジャパニーズデザイン)にも好きなデザインはあるし、ジャンルで統一するのは自分らしくないのではないかと気づいてからは単純に好きな物を集めるようにしています。
影響を受けたデザイナー、思い入れのあるアイテムなどがあれば教えてください。
1番最初に買ったイームズサイドシェルは今でも大事に持っています。スペースエイジ時期はWendell Castleとかが好きでした。Wendell Castleはプラスティックの作品も好きです。ウッドの作品も今は気になっています。
プラスティックの物は今も持っているので、いつかウッドの作品を手に入れたいです。
日本のデザイナーですと、勿論ですが倉俣史朗はずっと影響を受けています。
ただそればかりになるのも何か違うので、今はある日本人デザイナーと日本人デザイン集団のアイテムを探しています。
お店の近くにお薦めのお店や場所があれば教えてください。
地元の館林に菊竹清訓設計の館林旧支庁舎があります。
昨今話題の黒川紀章の中銀カプセルタワーと同じメタボリズム建築の1つで実現した数少ないメタボリズム建築です。1963年に造られたとは思えないとてもモダンな建物で、3階以上のフロアが飛び出たダイナミックな外観は、一度見たら忘れられないと思います。
カプセルタワーのようなダメージも少なく、公民館として今も使われていますので実際に中を見て回ることができます。都内からも日帰りで来られる場所ですのでおすすめです。
今回、Modernism Galleryに出品いただく逸品について教えてください。
倉俣史朗 / HAL 2 , T2
1960-1990年代に世界的に活躍したデザイナー倉俣史朗は、80年代にエットレ・ソットサス率いるデザイン集団Memphisに参加しました。1991年急性心不全のため死去、享年56歳でした。没後30年以上たった今でも、多くのデザイナーに影響を与えつづけています。彼の作品は時代を超えて常に新しく美しく感じさせます。
この逸品との出会い、そしてあなたにとってどこがモダンデザインの逸品なのか教えてください。
倉俣史朗の作品を最初に購入したのは20年以上前になると思います。それから少しずつ少しずつ集めてきました(手放してしまったものもありますが) 。今回のHAL 2と T2もその内の1つです。
今ほど高額ではありませんでしたが、今ほど注目されてもいませんでしたので、逆に出てくる機会も少なかったと思います。モダンと言う言葉を現代的や今風と言う意味で捉えるのであれば、私の中では倉俣史朗の作品は20年前もモダンでしたし、20年経った今でも変わらずモダンです。
時を経ても変わらず古びない数少ないデザイナーだと思います。
今後目指していること、展望などありましたら教えてください。
おすすめの場所で紹介した館林旧支庁舎ですが、昨年仲間数名と残していこうと動き出しました。
まずは市民に建物の重要性を理解していただくためにイベントを開催しましたが、casa BRUTUSのweb版に紹介され、全国からも沢山の方々に来ていただくことができ、改めて重要な建物だと実感しました。
1日だけのイベントでしたが、もっと長い期間やって欲しいと多くの方に言われましたので第2弾のイベントに向けて今年も動いて行こう思います。
〒374-0027 群馬県館林市富士見町18-35