お店の紹介、名前の由来、お店をはじめたきっかけを教えてください。
店名のPyöritäは、フィンランド語で「回転」や「循環」を意味する言葉です。本質的なものの価値を見出し、新しい持ち主に引き渡すことを事業理念として名付けました。
また、後に知ったことですが、現地でガラスを成形・加工する際、この言葉が用いられることがあるようです。間接的ですが、ものづくりに関わる仕事としての役割を果たせればと思っています。
どのようなヴィンテージアイテムを取り扱っていますか?
北欧各地で買い付けたヴィンテージガラスや陶芸作品を取り扱っています。時代やデザイナーにこだわりはありませんが、物の質感や造形に惹かれることが多いです。幼少期によく祖母の家で遊んでいたことが影響しているのかもしれません。裏山に出掛けて、日が暮れるまで蟻の行列を観察したり、巨大な岩の断面を眺めたりしていました。
影響を受けたデザイナーを教えてください。
Kaj Franck(カイ・フランク)の仕事に対する向き合い方に強く影響を受けています。文献に残された本人の言葉を辿ると、物事に実直である姿勢が伺えます。デザイナーの生い立ちやそれを取り巻く時代背景を知ることは、私達の人生そのものを豊かにすると感じます。
お店の近くにおすすめの場所があれば教えてください。
「光村」という天ぷら屋をお薦めします。素材自体の美味しさは勿論ですが、油のしつこさが無いのが嬉しいです。カウンターで料理人の手仕事を見ながら待つ時間も一興です。
現在愛用しているモダニズムアイテムと、それに対する想いを教えてください。
Alfred William Finch(アルフレッド・ウィリアム・フィンチ)の花器(1890-90年初頭作)を自宅に飾っています。Finchは中央応用美術学校で教鞭をとり、モダニズム期に活躍したToini Muona(トイニ・ムオナ)やElsa Elenius(エルサ・エレニウス)ら芸術家を指導しました。フィンランド陶芸の礎を築いた人物として欠かせない存在です。前述したFinchの作品も含めて、日本における(純粋な陶芸作品としての)フィンランド陶芸の知名度はまだ乏しい印象を受けます。2018年に目黒区美術館で「フィンランド陶芸芸術家たちのユートピア」という展覧会が開催されました。地方巡回こそありませんでしたが、モダニズム期前の作品も含めて、体系的に理解を深めることができる素晴らしい内容でした。またいつかフィンランド陶芸をテーマにした大規模な展覧会が開催されることを願っています。
今後目指していること、展望などありましたら教えてください。
全国各地で企画展を開催したいです。昨年は東京と大阪で行いましたが、空間が変わることで新たなものの魅力に気付いたり、新しく出会う方から刺激をいただいたり、素晴らしい経験になりました。今後はものを選ぶ眼を養うだけでなく、企画力や提案力も養っていけたらと考えています。

名古屋市内にて、北欧各地で買い付けたヴィンテージガラスや陶芸作品を取り扱う。物の質感や造形をセレクトの根幹とし、より本質的な価値の提供を目指している。
〒462-0837 愛知県名古屋市北区大杉3-9-23