お店の紹介、名前の由来、お店をはじめたきっかけを教えてください。
昔から古いものが好きで、15年ほど前にアンティークショップで働いていたことがあり、その職場で繋がった友人との関係や記憶が、いつまでも鮮明に頭の片隅に残っていました。
4年ほど前に改めてやりたいことはなんだろう、と考えた時、ふとその記憶がよみがえり、計画もなくフランスに飛んで買い付けを行い、そこから物件を探すという、半ば勢いで始めたのがきっかけです。
店舗名の由来は猫背で、上記買い付けの際、移動中のトラックでなんとなく思いついて付けました。理由は特にありません。恐らく疲れていたんだと思います。
どのようなヴィンテージアイテムを取り扱っていますか?
フランス、オランダのミッドセンチュリー期、イタリアのポストモダン期前後のアイテムを中心にコーディネートしながら、スイス·スペイン·ドイツ·スウェーデン·デンマーク·アメリカ·イギリスなどの、デザイナーズ·アノニマスを問わずコレクションしています。
その時、その時代によって、僕たちの琴線に触れるものを集めているため、これといったこだわりや基準はありませんが、年代も国もバラバラのもの達を、うまくスタイリングすることで、時代や様式を超えて調和した空間をご提案できたらいいなと思っています。
影響を受けたデザイナーや、思い入れのあるアイテムを教えてください。
リートフェルトのジグザグチェアを見た時には衝撃を受け、今では最も思い入れのある一脚となっています。
また建築家·グラフィックデザイナーとして活躍したマッシモ·ヴィネッリの ‘Metafora’ Coffee Tableも心を打たれた作品です。後者はstoopでもようやく扱えるようになり、お店が少しずつ成長しているのが感じられて嬉しいです。
お店の近くにおすすめのお店や場所があれば教えてください。
FAAR さんや Babaghuri さんなど、美意識の明確なお店が多く、歩いて6分ほどで東京都現代美術館もあります。最近では近所に同じヴィンテージ家具を扱う haruta さんができたのでヴィンテージをみて回ることも楽しめる街になりつつあります。またO2さんの中華料理も最高です。
現在愛用しているモダニズムアイテムと、それに対する想いを教えてください。
1934年にリートフェルトによってデザインされた、Zig-Zag Chair(ジグザグチェア)初期の一脚。個人的に最も好きな椅子であるジグザグチェアを、ベルギーのギャラリーで見つけたときは興奮を抑えられませんでした。
当時の製造技術では、このデザインを完全に再現することは難しかったため、真鍮製のボルトとナットが剥き出しの状態で組み上げられています。
後にカッシーナ社の優れた木工技術によって、ジョイント部に金属を使用しない現在の形へと至るのですが、今から80年以上も前に、後のモダニズムへと繋がるこのデザインを形にしようとした、リートフェルトの挑戦心と先見性、試行錯誤と苦労とが、この一脚には全て詰まっているようで、なんだか眺めているだけでも感動してしまいます。
今後目指していること、展望などありましたら教えてください。
まだ駆け出しなので、沢山勉強を続けながらより多くのお客様の心が少しでも動くような空間とサービスをご提供できれば、と思っています。
また僕たちが海外生活の中で感じた感動や空気感などが、stoopの空間や写真を通して少しでもお客様に届いていたらより一層嬉しいです。
清澄白河から徒歩3分、当時の床材や天井材を生かした200m²ほどの古い木造家屋。広がる空間には、ヨーロッパからアジア紀元前から現代まで国境や年代に縛られずに「現在」の感性を通してコレクションされたヴィンテージ家具やオブジェ·現代アートが静かに佇む。週末は多彩なライフスタイルを提案するショップとして。平⽇は撮影スタジオやギャラリーなど創造の場として。型にとらわれずに、新たな価値をさまざまな語り⼝で提案していける空間を⽬指している。
〒135-0021 東京都江東区白河2-5-10
tel 03-4285-4128