お店の紹介、名前の由来、お店をはじめたきっかけを教えてください。
1950〜1980年代のプロダクトを集めた雑貨店です。
作り手のクリエイティブな感性が際立つ、ユニークなヴィンテージプロダクトを中心にセレクト。"Design" に特化した独自のモダンスタイルを新しい角度で提案できるよう心がけています。
ショップ名の由来は "Ditty Bag" や "Ditty Box”" をイメージしています。仕事・趣味・生活の中で大切なモノを仕舞う道具袋や道具箱。日常を楽しむさまざまなツールを詰め込んだお店作りがテーマです。
開業は2012年。当時の私が "◯◯◯ Tools" と "Tools" を付けたかったので "Ditty Tools." となりました。
お店をはじめるきっかけは幼少時代。田舎で商店をしていた祖父の在庫部屋です。遊びに行ったら朝から晩まで籠りっぱなしで倉庫からお気に入りを探す。完全に私のルーツだと思います。
どのようなヴィンテージアイテムを取り扱っていますか?
1950~1980年代のドイツを中心としたテーブル&ホームウェア他、国内外問わずの作家・デザイナーもの、その他アノニマスなヴィンテージプロダクトを幅広く取り扱っております。
また、現在は1980年代を中心としたプロダクトが多めですが、毎回テーマを決めて展示販売するショップ企画展「Products.」を不定期に開催しております。
時計・照明・テキスタイルなどのインテリアアイテムから、コーポレートデザインとなる 企業グッズなどさまざまです。
影響を受けたデザイナーや思い入れのあるアイテムを教えてください。
バウハウスの教員メンバーであり舞台芸術工房のマイスター、オスカー・シュレンマーです。
特にその代表作である1922年に発表された舞台 "The Triadic Ballet" は、私の表現やモノ選びの基本になっていると思います。
抽象・幾何学・機械的な平面と造形。それらがレイアウトされた空間と対象物、そして動きによる配置。色や形へのイメージから触発される3部構成による、全く異なる表現方法の数々。そしてその中にユニークさや愛らしさも兼ね揃えた、見る度に新しい刺激を頂ける完璧な世界観です(デッサウにある Bauhaus ミュージアムでそのコスチューム達と初めてご対面した時は感激して泣きましたw)。
パフォーマンス作品であるため、プロダクトが存在していないところも魅力。
世界観を想像し近づける楽しみがあります。
主観になりますが1988年発表、ドイツ Arzberg 社のテーブルウェア "Fantasia" シリーズはカラー・フォルム共にその完全体に近いプロダクト。
デザイナー集団 ”メンフィス”の結成メンバーMatteo Thunデザインによるものです。
1980年代のメンフィスらしいデザインでありながら "The Triadic Ballet" の踊り子さんを連想させる完璧なプロダクト。思い入れのあるアイテムと言える気がします。
(写真右下:今回の Modernism Show にもお持ちしようと思います。)
お店の近くにおすすめのお店や場所があれば教えてください。
緑が豊富で歴史的建造物や重要文化財などが多く建ち並ぶアカデミックで美しい街、駒場エリア。もう長くこのエリアに住んでおり、散歩コースとして馴染みの深かったことも開業理由です。
東京大学構内、昭和初期の建物「旧制一高」の同窓会館を改修した素敵な建物にてお得なランチが楽しめるフレンチレストラン「ルヴェソンヴェール」。小説家やその作品に由来するメニューが揃う日本近代文学館のカフェ「BUNDAN」。その他大学キャンパス内にある一般利用可能な食堂やオーガニックレストラン・カフェなど、お散歩がてら各施設内にあるフード巡りもオススメです。
現在愛用しているモダニズムアイテムと、それに対する想いを教えてください。
カップ&ソーサー、プレート
Designer : Heinrich Loffelhardt
Mfr : イエナグラス(ドイツの耐熱ガラスブランド)
Era : 1955
軽量で口当たりも良く、使い心地に優れた名作ウェア。中身を優美に象る透明感のある美しいフォルムが魅力です(棚からうっかり滑り落ちても割れなかった驚きの丈夫さです)。
永く愛される理由を実感、他にも我が家ではさまざまなイエナアイテムを使っています。50〜60年代を中心に90年代くらいまで。薄手の耐熱ガラスなのでプリンを作ったり、各種お酒も冷・常・熱で楽しんでいます。
今後目指していること、展望などありましたら教えてください。
次の企画展は何をテーマにご紹介させていただこうかな。。。
日々そんなことを考えながらのモノ集めも楽しみのひとつです。
1950-1980年代のデザインプロダクトを集めた雑貨店。ドイツを中心としたヨーロッパのテーブル&ホームウェア他、国内外問わずの作家・デザイナーもの、また作り手のクリエイティブな感性が際立つアノニマスなヴィンテージプロダクトを幅広く取り扱っている。
〒153-0041 東京都目黒区駒場1-27-1
tel 03-3460-7636