お店の紹介、名前の由来、お店をはじめたきっかけを教えてください。

ディーラーシップはファイヤーキングを中心とした、1930's～80's のアメリカン・ヴィンテージ・グラスウェアを取り扱う専門店です。ファイヤーキング以外にも、ケメックス、パイレックス、ラッセルライト、ジャネット、マッキー、ヘーゼルアトラス、グラスベイク、フェデラルグラス、マッコイなど、ミッドセンチュリー期の銘品を多岐にわたって取り揃えています。

これまでに「ファイヤーキングの本」（エイ出版）等、多数の書籍監修、資料提供をしました。また、2011年のアンカーホッキング社（オハイオ州 / ファイヤーキング製造元）の雑誌取材ではインタビュアーを務めました。

学生時代にファイヤーキングと出会い、その魅力（デザインや使いごこち等）に取りつかれ、個人的に蒐集を開始。
素晴らしいアメリカン・ミルクガラスの世界を掘り下げて体系化して紹介することで、日本にも広めていきたいという思いのもと、2004年、高円寺で専門店 DEALERSHIP を開店しました。

どのようなヴィンテージアイテムを取り扱っていますか？

まずは、アメリカの 1930's～80's のヴィンテージ・ミルクガラス食器です。
ファイヤーキングやパイレックスをはじめとした、ミッドセンチュリー期にアメリカで流行した乳白色の耐熱ガラス食器で、戦時中のアメリカで生まれて 50～60年代に全盛期を迎えました。
当時は一般家庭向けのテーブルウェアとして、またレストランやダイナーなどの業務用食器として大量に生産されていたものです。
シンプルで使い勝手のよい美しいデザインと豊富なバリエーションがヴィンテージファンの心をつかみ、近年、世界中で再評価されています。

その他、オールドケメックスのコーヒーメーカーや、パイレックスのキッチンウェア、ラッセル・ライトがデザインをしたディナーウェア等、同時代のアメリカンヴィンテージ・グラスウェア、キッチンウェアを扱っています。

影響を受けたデザイナー、思い入れのあるアイテムなどがあれば教えてください。

影響を受けたデザイナーは、ラッセル・ライト、ピーター・シュラムボーン、ジョージ・ネルソン、ウラ・プロコッペ、アルヴァ・アアルト、ボーエ・モーエンセン、スティグ・リンドベリ、カイ・フランクです。
アメリカと北欧のモダンデザイン・デザイナーに影響を受けており、ヴィンテージを掘り出してミックスして使うことを楽しんでいます。年に数回、アメリカと北欧にヴィンテージ買い付けにも行っています。

親戚の故・村田昭博がインテリア会社（株）村田合同を経営、私の父親が役員だったこともあり、当時取り扱っていたジョージ・ネルソンのクロック（ハワードミラー）や、カイ・フランクのティーマ（アラビア）、アンティ・ヌルメスニエミのケトルなどのモダンデザインプロダクトが普通に家にあり、子供のころから触れていたのが自身の好みに影響していると思われます。

お店の近くにおすすめのお店や場所があれば教えてください。

近くに姉妹店の cotogoto 日本の手仕事・暮らしの道具店（高円寺）と、FreeDesign 北欧雑貨（吉祥寺）がありますので、ぜひお越しください。

現在愛用しているモダニズムアイテムと、それに対する想いを教えてください。

Jade-ite　8oz　Cofee　Mug

Designer : アンカーホッキング社
Mfr : Fire-King

1940年代～1986年まで40年以上にわたり製造が続いた、ファイヤーキングを代表するロングセラー、『8oz Coffee Mug（通称Dハンドルマグ）』。
なめらかな曲線を持つデザインが、見た目の美しさと極上の使い心地を生んでいます。美しいデザインと飲み心地、コーヒーの透け感に魅了され、学生時代に購入したDハンドルマグは現在も毎日のように使用中。これ以上に気分がよくなるマグカップはなかなか見つけるのは難しいと思っています。

CM-3　Coffee　Maler（2-9Cups）

Designer : ピーター シュラムボーン
Mfr : CHEMEX
Era : 1950s

コーヒーを美味しく淹れられて、なおかつ美しいデザインのコーヒーサーバーを探していた時に出会い、それ以降アメリカに買い付けに行くたびに古いケメックスを少しずつ買い集めることに。年代によるディテールの違いも面白く、気づいた時にはかなりの数を蒐集していました。
個人的にはガラスポット部分をパイレックス（コーニング社）がハンドブロウで作っていた1940～60年代頃のものが好みです。この時代のものはハンドブロウによるゆらぎのあるガラス部に、経年により味の出たウッドネックと革紐が組み合わさり、絶妙な存在感を醸し出しています。カーブを多用したユニークなデザイン、ガラスと木と革の素材の組み合わせの妙は、コーヒーを淹れながらため息がでるほど。

今後目指していること、展望などありましたら教えてください。

ファイヤーキングおよびアメリカンヴィンテージ・グラスウェアのさらなる発掘と研究、体系化、流通を通し、世界中で愛好者が増えたり、価値が向上したら嬉しいです。
また DEALERSHIP 運営19年の経験で蓄えた膨大なデータや写真等を元に書籍化することや、企画展等への協力などにもチャレンジしたいです。それらの活動を通して、さらに多くの方々に楽しんでもらえるように活動をしていきます。