お店の紹介と名前の由来を教えてください。
STILL LIFEは名古屋市東区にあるギャラリーとカフェを併設するお店です。
お店の奥では建築設計事務所も営んでおり、住宅、店舗など建築全般、インテリアデザイン、オーダー家具の注文も承っています。
STILL LIFE(スティルライフ)とは日本語で「静物画」です。作品には1つ1つストーリーがあり、そしてそれが創り出す空気感があります。まるで静物絵画のように。
カフェで提供するメニューから、ヴィンテージの作品まで丁寧に提供し、そのストーリーや空気感をお伝えしたいという思いからショップ名としました。
どのようなアイテムを取り扱っていますか?
20世紀のヴィンテージを中心に日本の住宅に合う作品を選んで取り扱っています。
当店ではカフェも併設していることから「食」に纏わる作品も多いことが特徴です。
東海地方でお店を営んでいるのでその地域に関連した作品も意識して選んでいます。
陶芸や家具など優れた技術を持った職人が多い地域柄、20世紀に活躍したデザイナーも多くこの地域で作品を残しています。そういったものを発掘し歴史も踏まえてご紹介しています。
影響を受けたデザイナーを教えてください。
柳宗理です。
お店の近くにおすすめのお店や場所があれば教えてください。
「中産連ビル」
1963年、社団法人中部産業連盟の研修施設として完成した坂倉準三設計の建物です。
現在までに耐震化などいくつかのハードルをクリアしながら、今も当時のオリジナルをなるべく残しながら運営されているビルです。
ピロティーや屋上庭園などコルビュジェ が提唱した「近代建築の5原則」が体現化されており、さらに外観の緑のタイル、窓の切り方、内部階段の造形など、坂倉特有の造形も観れます。
現在、愛用しているモダニズムアイテムとそれに対する想いを教えてください。
かつてウィーンにあったキャバレー・フレダーマウスのためにデザインされた肘付椅子。デザイナーはヨーゼフ・ホフマンです。
曲線主体のアール・ヌーヴォー様式の時代からの脱却を模索し直線を取り入れた様子が多分に見られます。この思想は後のバウハウスやデ・ステイルにも大きく影響をしていきました。
1907年のデザインですが戦後にWittmannから復刻されておりおそらく60年代のものと思われます。
ちょこっと座るのにちょうど良いサイズ。モダニズムの先駆けとなるこのデザインは名作椅子と呼ぶにふさわしい、時代の潮流の中にある作品です。
今後目指していること、展望などありましたら教えてください。
今までWilhelm WagenfeldやIsamu Noguchiの展覧会を開催させてもらいました。展覧会のたびにお客様とじっくりゆっくりその作品について話をさせてもらっています。時代背景やそのデザイナーの生きてきた形跡がその作品に現れます。
そういったストーリーをより深く探究し、ご来店いただいたお客様と共有したいと考えています。
今後はより幅を広げこの地域に根ざしてSTILL LIFEでしか表現できないことなどを深掘りしていければと思います。
「食」と「暮らし」をテーマに、時代を超えた美しいデザインとオーガニックな料理を提供するギャラリー&カフェ。
《gallery STILL LIFE》は、1900年代〜現代に至るまでヴィンテージの家具や雑貨を幅広くセレクト。バウハウスのプロダクトやイサム・ノグチのAKARIなども常時展開する。年に数回、企画展を催している。
《cafe STILL LIFE》は、20年に渡り、食に携わってきた独自の知識と経験をもとに、オーガニックや自然栽培など素材や産地にこだわった選りすぐりのメニューを展開。店舗のデザインは設計事務所を生業としてきた自身が手掛け、新築住宅や店舗、リフォーム、オーダー家具などの設計、インテリアデザインも承る。
〒461-0003 愛知県名古屋市東区筒井1-14-18
Tel 052-908-9141