お店の紹介、名前の由来、お店をはじめたきっかけを教えてください。
北欧、ヨーロッパ諸国で買い付けた1950〜1960年代頃の有名・無銘の良質、かつ普遍的なモダンデザイン家具をニュートラルな視点でセレクト。店舗では6フロアのビルでショップ・倉庫・工房を兼ねています。
直接自分の目と手と足で買い付けた家具は自分たちの手でそれぞれに応じたメンテナンスを施し販売。金沢21世紀美術館すぐそばのアポイント制のショールーム「TORI」では企画展なども開催しています。
ショップ名の由来は、見たい展示で訪れたギャラリーの看板の語呂合わせと「今」という直感的で潔い感じが気に入ってつけました。
はじめるきっかけは23、24年前、東京でイームズをはじめとした「モダンデザイン」や「ヴィンテージ家具」という世界に出会い、強くカルチャーショックを受けたのが始まりです。当時の自分にはイームズなど3万円くらいするような所謂デザイナーズの家具には到底手が届かず、無銘の良質なデザインにとても強く魅力を感じました。この頃からリサイクルショップ巡りをはじめて今に至ります。
今でも自分の視点で掘り起こした無銘なものを共感してもらえる瞬間が楽しいですね。
どのようなヴィンテージアイテムを取り扱っていますか?
ハンス・ウェグナーやボーエ・モーエンセンなど北欧デンマークの有名・無銘のモダンデザインをベースに、シーズ・ブラークマン、マーティン・フィッサーなどに代表されるオランダのダッチデザインやフィンランドのアルヴァ・アアルトの家具や1950〜60年代頃のガラスや工芸品にオブジェなどなど、その時々で自分が現代の生活にフィットすると感じる良質な家具、小物を時代や国籍、ジャンル問わずニュートラルな視点でセレクトするよう心がけています。
影響を受けたデザイナーや、思い入れのあるアイテムを教えてください。
多すぎてとても難しいですが、はじめて影響を受けたデザイナーだと1999年頃、中目黒のSPiVで購入したカステリのジャンカルロ・ピレッティのDSC106で自分のモダンデザインの原点で今でも自宅で使用しています。
もう一点、いつか手に入れたいソファはB&B Italiaマリオ・ベリーニの「カマレオンダ」。
2000年頃に大阪・南船場のカフェeffiに置いてあってソファはもちろん、他の家具を含めた空間、音楽/オーディオ、店員さんのスタイルまでカルチャーショックを受けて憧れてよく通いました。
もちろんハンス・ウェグナーやボーエ・モーエンセンのデザインは奥深く細部や作りについては今も新しい発見があり、もっと深く理解できるようになりたいなと思います。フィンランドのアルヴァ・アアルトは建築と一緒に見てとても感銘を受けました。その場所で、というのがとても重要に思います。
お店の近くにおすすめのお店や場所があれば教えてください。
お店から徒歩圏内には21世紀美術館、兼六園、鈴木大拙館など金沢を代表する魅力的な場所がたくさんあります。宿泊は近くにオープンした話題のデザインホテル香林居で。四知堂 kanazawa監修による朝食もおすすめです。
Towns folk coffeeやKakurezatoなど素敵なコーヒーショップやカフェもオープンしています。
インテリアショップならCazahanaとSKLO、どちらも独自のセレクトで尊敬する大好きなショップですので外せません。
現在、愛用しているモダニズムアイテムとそれに対する想いを教えてください。
GATTO / Achille Castiglioni , Pier Giacomo Castiglioni / FLOS /1960
自分がモダンデザインに興味を持ち出した20年ほど前に出会い、思い切って購入。もちろん現在も自宅リビングで活躍中です。当時その有機的で独特なフォルムとコクーン樹脂という素材に感動したのをよく覚えています。
お店の買い付けは北欧周辺諸国が中心ですが、セレクトの基準に関して言えばカステリオーニやマリオ・ベリーニなどに代表されるイタリアのデザインから受けた影響が自分のセレクトの根幹にあるのは間違いないと思います。特にデザインと質感・素材遣いのバランスからとても強い影響を受けていますね。
今後目指していること、展望などありましたら教えてください。
静かで理想的なロケーションに拠点を移してショールーム、倉庫、工房と今までやってきたことを集約してもっと質を上げていきたいです。空間としてのカフェが好きなので一緒にそういうフリースペースも設けることができたら素敵だなと考えています。
最近は個人的に登山にハマっていて、興味のあるロングトレイルや国内外もっともっと深く知識や経験を積んで何らかの形で今の仕事につなげていけたらいいなと考えています。
また取り扱いさせていただいているCarl HansenやPP mobler、Fredeliciaなど現行の家具工房の販売貢献、若い子達の何かのきっかけになるような場所になりたいですね。
北欧、ヨーロッパ諸国で買い付けた1950~1960年代頃の有名・無名の良質かつ普遍的なモダンデザイン家具をニュートラルな視点でセレクト。店舗では6フロアのビルでショップ・倉庫・工房を兼ねている。直接自分の目と手と足で買い付けた家具は自分たちの手でそれぞれに応じたメンテナンスを施し販売。
金沢21世紀美術館すぐそばのアポイント制のショールームTORIでは企画展なども開催している。
〒920-0962 石川県金沢市広坂1-1-51
tel 076-225-7475